【コラム】修理費用が賠償されないこともある?

2017-08-25

1 交通事故によって発生する損害の種類

 交通事故によって発生する損害は、大きくは、人の生命・身体について生じた損害(これを「人損」といいます。)と、車両等の物について生じた損害(これを「物損」といいます。)の2種類に分けられます。

 このうち、物損(ここでは車両損害に限定します。)の種類としては、例えば次のようなものがあります。

  ① 全損の場合

   ⅰ 車両損害(事故当時の車両時価等に買替諸費用を加えた額の賠償)

   ⅱ 代車料

   ⅲ 休車損

   ⅳ 保管費用

  ② 全損以外の場合

   ⅰ 修理費用

   ⅱ 評価損

   ⅲ 代車料

   ⅳ 休車損

   ⅴ 保管費用

 

2 全損とは?

 このように、物損は、まず、「全損か否か」によって大きく区別されることになりますが、ここで、全損とは、①修理が不可能である程度にまで損壊してしまった場合(これを「物理的全損」といいます。)と、②修理は不可能ではないが、修理費用が、事故当時の車両時価等を超える場合(これを「経済的全損」といいます。)をいいます。

 全損の場合には、修理費用ではなく、事故当時の車両時価等の賠償を請求することになります。

 

3 経済的全損とは?

 修理は不可能ではないが、修理費用が事故当時の車両時価等を超える場合には、経済的全損に当たります。

 例えば、事故当時の車両時価が100万円の車両の場合に、①50万円の費用で修理が可能なときは、この50万円の修理費が損害となりますが、②修理が可能ではあるもののこれに150万円を要する場合には、経済的全損に当たるため、この150万円の修理費ではなく、100万円の車両時価が損害となります。 

 その理由は、そもそも損害賠償制度の目的が、被害者の経済状態を「被害を受ける前の状態に回復する」ことにあります。②の例の場合では、被害者は、100万円の価値の車両しか有していなかったにもかかわらず、150万円の修理費相当額の賠償を受けることができてしまうとすると、事故によってかえって50万円の利益を得ることになってしまい、損害賠償制度の目的を超えてしまうためです。

 

4 経済的全損か否かの判断

 経済的全損であるか否かを判断するに当たっては、事故車両の事故当時の車両価格等を把握することが必要となりますが、この点は訴訟などにおいても争点となることが少なくありません。

 当事務所では、このような物損事故についてもご相談いただけますので、まずはお気軽にご相談下さい。

 

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