コラム

【コラム】予想を超える?労使トラブルの経営リスク

2017-09-23

1 労使トラブルで現れてくる具体的なリスク

 近年労使トラブル(労働問題)の件数は年々増加傾向にあるようですが、企業(特に中小企業)の経営者の方の中には、実際に労使トラブルに直面されるまで、そのリスクの大きさを正確に認識されていない方も少なくないようです。

 経営者側にとって労使トラブルが経営上の「大きなリスク」になってしまう場面を具体的に見てみます。

(1)労働基準監督署の介入

 労働基準監督署(官)は、労働基準法違反事件について、警察官と同様の逮捕権をも有しているほか、そこまでに至ることはなくとも、労働基準監督官による処分がなされた場合には、社名の公表といった対外的リスクが生じ得ます。

 この場合、「ブラック企業」などというレッテルを貼られてしまう可能性もあるでしょう。

(2)支払いの高額化

 例えば未払残業代請求を例にとると、未払残業代請求の多くは労働者が退職した後になされますが、労働者が退職した後の未払残業代請求権については、年14.6%もの遅延損害金(遅延利息)が付されます。

 また、未払残業代請求事件が裁判(訴訟)にまで至った場合には、裁判所は、労働者に対する未払残業代と同額の金銭(これを付加金といいます)の支払を使用者側に命ずることができます。

 したがって、仮に判決で労働者側の請求額が200万円と認められ、かつ同額の付加金の支払が命じられた場合には、会社は、この労働者に対し、合計400万円もの支払をしなければならないこともあり得ます。

(3)他の労働者への波及

 労使トラブルは、たとえ労働組合の介入がなくとも、集団的に発生しやすいという特徴があります。

 例えば、1人の退職した労働者による未払残業代請求が労働者側に有利に解決した場合、これが他の労働者へ波及し、芋づる式に「退職→未払残業代請求」という雪崩が起きることも珍しくありません。  

 

2 労使トラブルは事前の対応が重要

 労使トラブルにおいて、労働者側から何らかの請求がなされた場合、既に労働者側は証拠収集等の事前準備を周到に行っていることが多いという特徴がありますので、使用者側としては、手遅れとならないよう、リスクの存在を把握した上で事前にこれに対応し、「労使トラブルの発生そのものを回避する」べく、予防的に動いていくことが重要です。

 

3 ご相談はお早目に

 当事務所は、主に中小企業を対象とした労使トラブル(労働問題)について、数多くのご相談、ご依頼をいただいております。

 実際に労使トラブルが目の前に現れてくるまで、なかなか予防活動にまで手が回らない状況もあろうかとは思いますが、可能であれば「予防段階」でご相談いただき、実際に労使トラブルを起こさないよう対策をしていくことこそが、会社の利益を守る重要な視点であると考えています。

 他方、既にトラブルが生じてしまった後においては、なるべく早くご相談いただくことで、影響を最小限に抑えることができます。

 まずはお気軽にご相談下さい。

【コラム】修理費用が賠償されないこともある?

2017-08-25

1 交通事故によって発生する損害の種類

 交通事故によって発生する損害は、大きくは、人の生命・身体について生じた損害(これを「人損」といいます。)と、車両等の物について生じた損害(これを「物損」といいます。)の2種類に分けられます。

 このうち、物損(ここでは車両損害に限定します。)の種類としては、例えば次のようなものがあります。

  ① 全損の場合

   ⅰ 車両損害(事故当時の車両時価等に買替諸費用を加えた額の賠償)

   ⅱ 代車料

   ⅲ 休車損

   ⅳ 保管費用

  ② 全損以外の場合

   ⅰ 修理費用

   ⅱ 評価損

   ⅲ 代車料

   ⅳ 休車損

   ⅴ 保管費用

 

2 全損とは?

 このように、物損は、まず、「全損か否か」によって大きく区別されることになりますが、ここで、全損とは、①修理が不可能である程度にまで損壊してしまった場合(これを「物理的全損」といいます。)と、②修理は不可能ではないが、修理費用が、事故当時の車両時価等を超える場合(これを「経済的全損」といいます。)をいいます。

 全損の場合には、修理費用ではなく、事故当時の車両時価等の賠償を請求することになります。

 

3 経済的全損とは?

 修理は不可能ではないが、修理費用が事故当時の車両時価等を超える場合には、経済的全損に当たります。

 例えば、事故当時の車両時価が100万円の車両の場合に、①50万円の費用で修理が可能なときは、この50万円の修理費が損害となりますが、②修理が可能ではあるもののこれに150万円を要する場合には、経済的全損に当たるため、この150万円の修理費ではなく、100万円の車両時価が損害となります。 

 その理由は、そもそも損害賠償制度の目的が、被害者の経済状態を「被害を受ける前の状態に回復する」ことにあります。②の例の場合では、被害者は、100万円の価値の車両しか有していなかったにもかかわらず、150万円の修理費相当額の賠償を受けることができてしまうとすると、事故によってかえって50万円の利益を得ることになってしまい、損害賠償制度の目的を超えてしまうためです。

 

4 経済的全損か否かの判断

 経済的全損であるか否かを判断するに当たっては、事故車両の事故当時の車両価格等を把握することが必要となりますが、この点は訴訟などにおいても争点となることが少なくありません。

 当事務所では、このような物損事故についてもご相談いただけますので、まずはお気軽にご相談下さい。

【コラム】遺言書は必要?どうやって作るの?

2017-08-12

1 遺言の方式

 遺言は、遺言者の真意を明らかにするとともに、変造や偽造を防ぐため、法律によってその方式が厳重に定められています。

 遺言の方式には、大きくわけて「普通方式」と「特別方式」がありますが、「特別方式」は、危急時遺言など、死が差し迫った場合などの特殊な方式ですので、今回は、「普通方式」の遺言について紹介します。   

 

2 遺言の種類

 普通方式の遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、作成の方法が異なります。  

 

(1)自筆証書遺言とは

 自筆証書遺言とは、遺言者が、「全文」、「日付」及び「氏名」を自署し、これに押印した遺言をいいます。

 最も簡易に作成することが可能な遺言ですが、その反面、紛失や偽造、変造のリスクがあるとともに、特に弁護士の助言なくこれを作成された場合には、本体の文章の意味が法的に不明瞭であるなどの理由により、せっかく作成した遺言の効力が問題となってしまうリスクがあります。

 なお、「日付」については、これが確定できればよいため、例えば、「50歳を迎えた日」という記載は有効ですが、裁判例では、「昭和四拾壱年七月吉日」との記載された遺言について、「日付」の記載を欠くとして無効とされたものもありますので、注意が必要です。  

 

(2)公正証書遺言とは

 公正証書遺言とは、証人2人以上の立会いのもとで、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人が遺言者の口授を筆記するなどの要件のもとに、公正証書で作成される遺言です。

 なお、推定相続人など一定の関係者は、公正証書遺言の要件である立会人となることはできません。    公正証書遺言は、何といっても、公証人の面前で作成されますので、偽造や変造のリスクが少なく、また、遺言公正証書の原本が公証役場に保管されますので、紛失のリスクもありません。

 公正証書遺言は、公証人という法律の専門家が関与して作成されますので、手数料がかかりますが、その分、遺言者の真意を正確に、そして確実に伝えるために最も適した方法といえますので、当事務所では公正証書遺言での遺言作成をお勧めします。  

 

(3)秘密証書遺言とは

 秘密証書遺言とは、公証人及び証人2人以上の前に封印した遺言書を提出することにより、遺言の存在は明らかにしつつ、その内容を秘密にする方式ですが、公正証書遺言や自筆証書遺言に比べると、あまり利用されていません。

 

3 遺言の必要性

 遺言書を作成することによって後日のトラブルを防ぐことに役立ちますが、特に、①会社経営者、②子どもがいないご夫婦、③主たる遺産が不動産の場合、④相続人のなかに行方不明の人がいる場合、⑤相続人以外の方へ遺産をあげたい場合、⑥相続人のうち誰か一人が親の介護をしている場合、⑦大きな額の保険金をかけている場合などには、遺言書を作成する必要性が高いといえます。

 当事務所では、各人の状況に応じて、遺言書を書く必要があるか、どのような内容として記載するべきか、どのような方法で作成するのが適切かなど、遺言書に関するご相談もお受けしております。

 お気軽にご相談下さい。

【コラム】野良猫へのエサやりはやめさせられるか

2016-08-17

1 ねこあつめて裁判?

 最近、「ねこあつめ」というアプリが大ヒットして注目を集めました。この「ねこあつめ」は、画面上の庭にエサとグッズを置いておくと様々な猫が集まってくる、というものですが、実際、野良猫にエサをあげていて裁判になった例があります。どのような裁判かというと、ある人が野良猫にエサと寝床を与えていたところ、その野良猫が隣人の家の庭に入って糞尿を繰り返ししたため、その隣人が損害を被り、その賠償を請求したというものです。

 

2 猫の性質

 猫はエサがあるところ、寝床があるところに居着く性質があります。とはいえ、元々野良猫だと一定の範囲を気ままにうろうろするので、その居着いた家以外の場所に行くこともしばしばあります。そして、行った先の庭で糞尿をしたり、糞を埋めるために庭の砂を掘り返して庭を荒らしたりすることもあります。また、木や家の壁・柱などで爪をといだり、発情期だと昼夜問わず独特な声を出して相手を探したりもします。

 これらの行為は、その猫にエサをあげてかわいがっている人にとってはかわいい猫がする行為として容認できると思いますが、猫嫌いな人や庭を荒らされている人にとってはたまらない行為かも知れません。

 

3 エサやりをやめさせたい

 では、近隣の人が野良猫にエサをやる行為をやめさせることはできるのでしょうか。

 その方法としては、人格権に基づく差し止めやマンションの区分所有権に基づく妨害予防請求、マンションの規則を遵守するように請求することなどが考えられますが、実際上は市役所等に相談し、行政指導をしてもらうことが現実的な手段だと思われます。

 行政としては、エサをあげている人に対し、飼い猫として室内で飼うべきことや不妊・去勢をすることを指導することとなります。

 これらに従ってもらえない場合には、上述したような請求手続を採らざるを得ません。また、騒音(鳴き声)で眠れなくなった人や庭を荒らされている人については、社会生活の中で仕方なく我慢すべき度合い(受忍限度)を超えていると認められれば、野良猫へのエサやりが不法行為となりうるので、併せて損害賠償請求をすることも考えられます。

 なお、先に紹介した裁判では、野良猫へのエサやりを継続して行ったことが不法行為であるとして、エサやりをしていた人にネット設置費用、慰謝料及び弁護士費用の支払いが命じられました。

 

4 猫への愛護と近所への配慮

 仮に、エサやりを止めさせたとしても、実は問題は残されています。

 いくら迷惑しているとはいえ、その猫にとっては急にエサと寝床を取り上げられることになりますので、悲しい結末も無いとは限りません。

 しかも、飼い猫と同視できる程度にまで世話をしていたとすれば、むしろエサをあげないことが違法になる可能性もあります(動物愛護法44条2項には、みだりに、給餌若しくは給水をやめて衰弱させた者は、百万円以下の罰金に処すると定められております)。

 エサやりによって、非常に難しい問題が生じてしまうのです。

 先に紹介した裁判では、野良猫へエサをあげていた者について、エサやり行為は「野良猫を愛護する思いから出たものと窺われ、そのような思いや行動は、それ自体が直ちに非難されるべきものではなく、可能な限り尊重されるべきとはいえるものの、他方で、相隣関係においては相互に生活の平穏その他の権利利益を侵害しないよう配慮することが求められるのであって、餌やりによって野良猫が居着いた場合、その野良猫が糞尿等により近隣に迷惑や不快感その他の権利利益の侵害をもたらすことがある以上、そのような迷惑が生じることがないよう配慮することは当然に求められるというべきである。」と述べられております。

 

5 まとめ

 近所の野良猫の糞尿被害に悩まされている人も、エサをやりたいけれど近所から苦情を言われている人も、当事務所では、行政に申し立てる内容や行政指導への対応、裁判を起こす手続きや起こされた裁判への対応等について、個々のご事情に即したアドバイス・提案をさせていただきますので、まずはお気軽にご相談下さい。

 (参考裁判例:福岡地方裁判所 平成27年9月17日判決)

【コラム】ネット上での誹謗中傷にどう対応するか

2015-05-09

1 ネット上での誹謗中傷等による被害 
 匿名掲示板やブログなど,インターネット上での誹謗中傷や個人情報流布が後を絶ちません。
 これを放置しておくと,個人の場合には名誉やプライバシーが侵害されるなどし,また企業の場合にはイメージダウンによって顧客・取引先・入社希望者が減少するなどし,多大な損害を被る可能性があります。
 そこで,ネット上での誹謗中傷等に対しては,直ちに対策をとることが必要です。

2 発信者(加害者)に対する法的措置
(1)ネット上に誹謗中傷等を書き込んだ発信者(加害者)に対しては,以下のような責任を追及することが考えられます。

   ① 損害賠償請求(民事上の責任追及) 
   ② 名誉毀損罪・侮辱罪・業務妨害罪等での告訴(刑事上の責任追及)

(2)しかしながら,ネット上での誹謗中傷等は,匿名や偽名でなされることが多く,ほとんどの場合,まず発信者(加害者)を特定することが必要となります。
  これについて,警察などに相談しても警察が本腰を入れて発信者を探してくれることは現実的にはあまり期待できませんし,また,プロバイダに対して単に「発信者の情報を教えて欲しい」と要求するだけでは,なかなか応じてくれない現状もあります。
  そこで,弁護士は,例えば以下のような法的手続により,発信者の氏名,住所,電子メールアドレス等の基本情報を得ることを試みます。

   ① 掲示板の管理者等に対する,IPアドレス等の発信者情報の開示を求める仮処分の申立て
   ② 経由プロバイダに対する発信者情報保全仮処分の申立て
   ③ 経由プロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟の提起
       
3 書き込みの削除請求(送信防止措置)
 ネット上での誹謗中傷等をそのまま放置しておくと,これが転載されるなどして二次被害,三次被害を生みかねません。
 したがって,発信者の特定と並行して,誹謗中傷等の削除請求(送信防止措置)を行うことが必要です。
 具体的には,プロバイダ責任法等を根拠に,掲示板の管理者等を相手として,(場合によっては裁判所の仮処分などを利用して)誹謗中傷等の削除請求を行っていきます。

4 費用との兼ね合い
  このように,ネット上での誹謗中傷等への対応は,仮処分や訴訟提起など法的な手続を必要とすることが多く,またログの保存期間等に関して迅速に対応する必要もあることから,弁護士等の専門家でなければ対応は難しいかもしれません。
  いわゆる対策業者を利用することにより,検索順位を下げる等の対策もありますが,根本的な法的解決にはなりません。
  他方で,弁護士等に依頼する場合には通常費用がかかりますので,どの程度の費用により,どの程度の効果(例えば賠償額)を生じさせることができるか,事前に弁護士と相談してみる必要があるといえます。

5 以上のとおり,ネット上での誹謗中傷や個人情報流布への対応は,専門的な知識を必要とし,他方で費用と効果の関係も無視できません。
 当事務所では,これらの点について個々の状況に即したアドバイス・提案をさせていただきますので,まずはお気軽にご相談下さい。

【コラム】逮捕された!この後どうなる?

2015-03-28

1 刑事事件(犯罪)は無縁ではありません 
 一般の人々の日常からは縁がなさそうに見える刑事事件(犯罪)ですが,うっかり交通事故(人身事故)を起こしてしまったり,酔っ払って人を殴ってしまったり,果ては,身に覚えのない犯罪を疑われたりと,刑事事件に巻き込まれることも,決してあり得ない話ではありません。

2 刑事事件の流れと逮捕・勾留 
 刑事事件は,警察や検察等が必要な捜査を行いつつ進展し,最終的には,検察官が,①正式に裁判所での審理を求めること(起訴)で刑事裁判となったり,②様々な理由によって起訴を見送る(不起訴)などして,事件が終了してきます。
 このような捜査の過程において,被疑者(容疑者)の身体を拘束することを,「逮捕」や「勾留」(被疑者勾留)といいます。
 逮捕とは短期間(原則として最長72時間)の身体拘束手続であり,勾留とは逮捕に続く長期間(原則として最長20日間)の身体拘束手続をいいます。
 また,被疑者の身体を拘束しないで捜査が行われることもあり,これを在宅捜査(在宅事件)などと呼びます。

3 逮捕・勾留されることによる不利益
(1)長期間の身体拘束による事実上の不利益
 逮捕・勾留されてしまった場合,当然ながら,勤務先や学校と連絡をとることが困難となります。
 特に,勾留が認められてしまうと,後述する不服申立て手段をとらない限り,少なくとも10日間(多くの場合は20日間)にわたって身体が拘束されてしまいますので,勤務先を解雇されたり,学校を退学させられたりするリスクが生じてしまいます。
(2)家族や友人と面会することができない精神的苦痛
 勾留される前の逮捕段階では,弁護士以外には面会(接見)は認められないと解されています。
 また,勾留された後においても,接見禁止処分が付された場合には,やはり弁護人しか接見することができません。
 したがって,弁護士を選任していない場合には,長期間にわたって家族や友人と会えないこともあり,精神的にも大変な苦痛を被ります。

4 起訴されることによる不利益
 捜査の結果,起訴されてしまった場合には,大多数のケースにおいて,有罪判決が言い渡されてしまうのが現状です。
 また,実刑判決ではなく,執行猶予付きの判決を得ることができた場合であっても,有罪判決である以上,それは前科として残ってしまいます。

5 不利益を回避するための対処方法
 これらの不利益を回避するための手段としては,次のようなものがありますが,いずれの手段も法的な知識・経験を要するため,弁護士を弁護人として選任して行うことが妥当であるといえます。
(1)身体拘束からの解放
 検察官に対して勾留を請求しないように申入れをしたり,裁判官に対して勾留を認めないよう申入れを行います。
 また,裁判官によって勾留が認められてしまった場合であっても,逃亡や罪証隠滅のおそれがないことの資料を作成するなどして,裁判所に対し,勾留の裁判の取消等を求めて不服申立て(これを「準抗告」といいます)を行います。
 さらに,10日間の勾留後,検察官が,勾留の延長(原則として最長10日間)を請求する場合も多いので,検察官に対して勾留延長請求をしないよう申し入れをしたり,裁判官に対して勾留延長請求を認めないよう申入れを行うなどします。
 これらの活動の結果,身体拘束から解放された場合には,その後は,在宅捜査として捜査が行われることになります。
(2)起訴の回避
 事件の内容・類型にもよりますが,傷害事件や窃盗事件などの被害者が存在する事件の場合には,被害者と示談を成立させることで,不起訴処分となる可能性を高めることができます。
 また,強姦罪や強制わいせつ罪のように,親告罪(被害者等による告訴がなければ起訴できない罪をいいます)にあたる事件の場合には,被害者と示談を成立させ,告訴を取り下げてもらうことで,起訴を回避することができます。

6 以上のいずれの対処方法も,起訴までの限られた時間内で迅速に対応することが不可欠ですので,家族や友人が逮捕されてしまった場合には,直ちに弁護士にご相談されることをお勧めします。
 当事務所では,逮捕・勾留段階,起訴後,あるいは在宅事件等を含め,刑事事件に関するご相談に応じることができますので,まずはお気軽にご相談下さい。 

【コラム】お金がなくて破産できない?

2014-11-11

1 破産とは 
 生活費や事業資金に充てるための借入や,住宅ローンなどの借金がかさんでしまい,これらを約束どおりに支払っていくことが困難になった場合,これらの借金を整理することが必要となりますが,そのための手続全般のことを「債務整理」と呼びます。
 この債務整理の中には,(1)裁判所を利用せずに債権者との交渉によって債務額や返済条件の変更を目指す任意整理手続,(2)債務の一部を免除してもらった上で生活や事業の再建を目指す民事再生(個人再生)手続等のほかに,(3)原則としてすべての財産を債務の支払いに充てる代わりに,債務のすべてについて免責してもらう破産手続などがあります。
 このように,破産手続は,債権者との任意の交渉や,債務の一部免除による再建が難しい場合の,いわば最後の手段として選択される手続です。

2 破産をするにも費用がかかる? 
 そのため,破産手続を選択される方や会社の多くは,その時点で既に預貯金が非常に乏しい状態であることが通常なのですが,破産手続を申し立てるにあたっては,次のような費用が必要になります。
 (1)弁護士費用
 これは,破産手続の申立を弁護士に依頼した場合に支払う費用です。
 なお,当事務所では分割払いでのお支払いも可能ですし,また,法テラス(日本司法支援センター)の利用なども検討いたします。
 (2)裁判所予納金(実費)
 破産手続を進めていく上では,破産手続が開始されたことを官報に掲載するための費用や,破産管財人が選任された場合に支払われる管財人報酬などの費用が必要となりますが,これらの費用は,破産手続の申立人(すなわち債務者)が,申立時に裁判所に予納することになっています。
 これらの費用の具体的金額については,債務の総額や債権者数,残された財産の種類・金額,債務者に関する事情などによって様々ですが,場合によっては,20万円以上の予納金の支払を求められることもあります。

3 お金がなくて破産できない? 
 しかし,破産を申し立てる前に,残っている財産の種類や金額などを詳細に検討することによって,破産をするために必要な費用を捻出することが可能となったり,費用自体を低額に抑えることが可能となる場合も少なくありません。
 ですので,「お金がなくて破産もできない」と諦めることはなさらず,まずは弁護士等の専門家にご相談してみることをお勧めいたします。

4 以上の記載は条件等によって結論が異なることもありますので,具体的なお悩みは弁護士などの専門家に直接ご相談下さい。
  当事務所では,破産に限らず,任意整理や民事再生(個人再生)など各種債務整理手続に関するお悩みもご相談いただけますので,まずはお気軽にご相談下さい。 

【コラム】成年後見人が必要なのは,どんなとき?

2014-08-21

1 成年後見制度とは

 成年後見制度とは,認知症などで判断能力が不十分になってしまった方について,その方の財産を管理したり,その方に代わって契約をしたり,身の回りのお世話をするために,手助けする人(成年後見人)を選任して,本人を保護していこうとする制度です。

 

2 成年後見についての法律相談は少ない?

 この成年後見制度は,必ずしもまだ身近な存在にはなっていないのではないかという印象を持ちます。

 例えば,ご家族が認知症等になってしまい,判断能力が不十分になってしまっても,いきなり,「では成年後見人を選任しよう」と考える方は,それほど多くなさそうです。

 また,当事務所に法律相談に来られる方も,「成年後見人の選任申立をお願いしたい」と端的に相談される方は,あまり多くありません。

 

3 成年後見人選任の「きっかけ」

 これは,成年後見の必要となるケースが少ないということではありません。

 成年後見人の選任を検討する「きっかけ」は,成年後見とは全く関係がなさそうなお悩みにあることが多いということです。

 例えば,以下のようなお悩みが,成年後見人選任を検討する「きっかけ」になります。

 遺産分割協議をしなければならないが,相続人の一人が遺産分割を理解できなくなっており,遺産分割協議書が作れない。他の相続人だけで遺産分割協議を成立させることはできるか。

 相続放棄をしたいと考えているが,相続人の一人は判断能力が不十分となっており,相続放棄の意味を理解できない。その人は放っておいても問題ないであろうか。

 本人と一緒に金融機関に行っても,本人の意思確認ができないという理由で,金融機関が預金を引き出してくれなくなった。生活できなくなってしまう。どうにか金融機関を説得して欲しい。

 本人が介護施設へ入所したので,今後の介護施設費用に充てるため本人が住んでいた不動産を売却しようと考えている。本人は状況を理解できなくなっているが,本人の不動産を売却することはできるであろうか。

 本人が,繰り返し必要のない高額物品を購入している。判断能力が衰えてきていることから,悪質な業者に狙われているのだと思う。何か対策はないであろうか。

 家族の一人が本人の世話をしているが,その家族が本人の財産を使い込んでいるようだ。使い込みを防止したり,使い込んだ分を取り返したりできるだろうか。

 このようなお悩みがある場合には,成年後見制度の利用をご検討されてもよいかもしれません。

 

4 以上の記載は条件等によって結論が異なることもありますので,具体的なお悩みは弁護士などの専門家に直接ご相談下さい。

 当事務所では,成年後見(保佐・補助)申立,任意後見契約など,成年後見に関するお悩みもご相談いただけますので,お気軽にご相談下さい。

Copyright© 2013 弁護士事務所(法律事務所)をお探しなら権田総合法律事務所へ All Rights Reserved.
弁護士専門のホームページ制作