【コラム】名前を変えたい! できる?

2017-12-21

1 名前を変えたい、そんな時は?

 最近「名前を変えたいのですが」というご相談を受けることが少なくありません。

 名前を変えたい理由としては、「読み方が特殊で日常生活に支障があるから」、「なんとなく気に入っていない」、「姓名判断で良くないと言われた」、「近所に同姓同名の人がいてややこしい」など実に様々です。

 果たして、名前を変えることはできるのでしょうか。

 

2 氏と名

 結論からいうと、名前は変えることができます。

 ただし、簡単に変えることはできません。

 なぜなら、名前は人の社会生活における基本的な情報であり、その人を識別するものであるからです。

 なお、名前には、氏と名とがあり(氏=苗字、名前=下の名前です)、氏も名も変えることができます。

 それぞれ変更するための手続は多少異なっており、また法律上の要件(変更が認められるかどうかの条件)も異なります。

 

3 変更の手続

(1)氏の変更手続

 まず、氏の変更手続としては、原則として①家庭裁判所の許可を得て届出を行わなければならないとされております。ただし、例外的に②届出で足りる場合があります。

 

① 家庭裁判所の許可を得て届出をする場合(原則)

 戸籍法107条1項には、「やむを得ない事由によって氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。」と定められております。つまり、「やむを得ない事由」がなければ氏の変更が認められないということです。

 この、やむを得ない事情とは、氏の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障をきたす場合をいうとされています。

 やむを得ない事由として認められた例としては、29年にわたって内縁の夫の姓を使用しており、社会的にその氏がその人を表すものであると認識されていたケースや、外国人配偶者が、通称氏である日本名を出生以来継続使用し、社会生活においても定着していると判断されたケースなどがあります。

 

② 届出で足りる場合

 他方、裁判所の許可を得ることなく届出だけで氏の変更ができる場合もあります(戸籍法107条2項及び3項)。

 例えば、結婚をしたことにより氏が変更した人が離婚をすると、通常元の姓に戻るのですが(これを復氏といいます)、離婚をしたものの、離婚後も変更後の姓(つまり元・配偶者の姓)を使う場合(これを婚氏続称などといいます)には、離婚から3ヶ月以内であれば、裁判所の許可を得なくても届出だけで氏を変更できます。

 また、外国人と婚姻をした人がその氏を配偶者の称している氏(つまり外国の名)に変更したいときには、婚姻の日から6ヶ月以内であれば、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出るだけで変更が認められます。

 

(2)名の変更手続

 次に、名の変更手続は、届出のみでできる場合はなく、常に家庭裁判所の許可を得て、届出をしなければなりません(戸籍法107条の2)。

 さらに、正当な理由がなければならないとされています。

 この正当な事由とは、名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいい、単なる個人的趣味、感情、信仰上の希望等のみでは足りないとされています。

 名の変更が認められたケースとしては、中学3年の男子が、今後、僧侶の道を進むことが推認され、名を変更することが同人の切望する進路の実現に資することになり、今後の生活に有益であることなどを考慮して変更を認められたケースや、性同一性障害者である人が、社会生活上、自己が認識している性別とは異なる男性として振る舞わなければならず、男性であることを表す戸籍上の名を使用することに精神的苦痛を感じており、その人に戸籍上の名の使用を強いることは社会観念上不当であると認められる一方、名の変更によって職場や社会生活に混乱が生じるような事情も見あたらないと判断されたケースなどがあります。

 

4 裁判における手続と専門知識の必要性

 届出で足りる場合はお近くの市役所等で問い合わせをすれば何を提出すればいいのか教えてくれると思います。

 しかし、裁判所での手続については、普段の生活においてあまり裁判所に縁のない方は、何から始めればよいのかわからないことも少なくないと思います。

 また、いざ裁判所での手続が開始されたとしても、裁判において上記やむを得ない事由や正当な理由があることを自ら主張しなければなりません。

 どのような主張を行えば認められるのかについては、今までの裁判例を調べたり、申し立てる人の事情を法的に組み立てたりするなど専門的な知識が求められる場合があるため、弁護士等の専門家に協力してもらった方が進めやすいと思います。

 もっとも、実際に弁護士等に依頼する場合には費用がかかりますので、氏名の変更の実現可能性やその費用について、まずは弁護士等に相談してみるところからスタートされるべきでしょう。

 

 当事務所では、氏名変更について個々のご事情に即したアドバイス・提案をさせていただきますので、お気軽にご相談下さい。

 

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